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アルミ鋳物の世界へようこそ ― 工程別解説 材料選定編

アルミ鋳物の世界へようこそ ― 工程別解説 材料選定編

2025年12月04日 15:19

鋳造の第一歩は“材料選び”から:アルミ合金の選び方


今回の題名が、今までのブログ内容とはだいぶ違うことにお気づきでしょうか?

私自身、弊社の仕事内容=アルミ鋳造については、知らないことばかりなので、自分の勉強も兼ねながら、シリーズ化していこうと思いつきました。

アルミというと、一般的には、缶ビール、鍋、サッシ、ホイールなどを思い浮かべますが、この工場では、医療器、炊飯窯、防災部品、鉄道部品、自動車部品と、低圧鋳造という特殊な製法で作られたものばかり。

以前、工場見学と工作教室を行っていたときに、子供達や学生さんに説明すると、「アルミホイル作ってるの?」と聞かれたりしました。

そんな薄いものは作れず、分厚いかたまりが多いイメージ!

そんなことを思い出したので、アルミ鋳物ができるまでを、わかりやすく最も一般的な「アルミホイル」=料理に使う!をヒントに、料理に例えて解説していきたいと思います。


アルミの材料を選定、アルミ合金(他の成分を混ぜたものを)の塊を購入

成分によって、いろいろな種類の合金があるため、まずはどんなアルミ合金を使うかがとても重要です

アルミ鋳物は“どの合金を選ぶか”で性能が決まるのです

✨ アルミ合金選定の重要性

合金の選び方次第で、強度・耐食性・熱伝導性が大きく変わります

間違った合金を選んでしまうと、早期破損や性能低下、追加コストにつながる可能性があります

✨ 弊社では、AC4CHというアルミ合金を選定

AC4CHは「バランスの取れた優等生」タイプのアルミ合金です

鋳造性・強度・靱性・耐食性のすべてを高いレベルで兼ね備えています

🌟専門的に言うと、 AC4CHの特徴は

• 高純度版のAC4C:Fe(鉄)の含有量を抑えることで、靱性と耐食性をさらに向上

• 鋳造性が良好:流動性が高く、複雑な形状でも鋳造しやすい

• 強度と靱性のバランス:中程度の強度ながら、実体強度は信頼性が高い

• 耐食性に優れる:特に自動車ホイールや足回り部品など、腐食環境にさらされる用途に適している

(弊社は、40年前、アルミホイール鋳造からスタートしました)


   AC4Cは“人気メニュー”の食材    AC4CHは“高級料理”の食材     AC4Bは“家庭料理”の食材

   AC4CHは、お鍋(鋳型)の中に、高級食材を入れてお料理したイメージ

🏆AC4CH × 金型鋳造

• 鋳造性◎:   流動性が高く、複雑形状にも対応

• 靱性・耐食性◎:Fe含有量が低く、割れや腐食に強い

• 量産性◎:   金型との組み合わせで高精度・高歩留まりを実現


弊社がAC4CHを選ぶ理由は、製品の信頼性を最優先しているからです


アルミ合金インゴットのすき間にいつの間にか燕の巣ができてました!巣立つまで待とう・・・


では、次に、このアルミ合金をどうやって、溶かして形にするのか「溶解編」をみてみましょう!


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